ホロスコープのトランジット

ホロスコープのトランジットってなに?初級者向けの読み方も解説

トランジット(トランシットと言われることもあります)は、特定の時期(=占いたい時期)の、実際の天体の位置をあらわしたもので、トランジットの天体の配置を描いたホロスコープのことを「トランジットチャート」または「経過図」と呼びます。

トランジットチャートと自分の出生図(=生まれたときのホロスコープ)を重ねると、その特定の時期に天体からどのような影響を受けるのかを知ることができます。

これにより、いつどんなことが起きそうか、大きな人生のイベントが起きるときの引き金を予想することができるのです。

この記事では、トランジットとは何か、どんなことがわかるのか、そして読み方について解説していきます。


【目次】

  1. トランジットとは?
  2. トランジットは実際の天体を表している
  3. トランジットで読み解けるもの
  4. トランジットの読み方のコツ
  5. ホロスコープのトランジットの読み方
  6. まとめ

トランジットとは?

ホロスコープにはいろいろな種類がありますが、未来予測をするとき、出生図(=ネイタル)、進行図(=プログレスやソーラーアーク)、そして経過図(=トランジット)の3つを重ねた三重円を作ることがよくあります。

自分が生まれたときの天体の配置である出生図に対して、進行図や経過図の天体がどのような関係にあるかをみることで、未来を予測していくのです。

トランジットは実際の天体を表している

トランジットは、とある日時の天体のことです。たとえば「トランジットの木星」というと、今、空にある木星のことです。

地球の周辺にある天体の実際の動きを表しているため、地球上のすべての生き物が影響を共有します。

ですから、世界中の人々が同じときに同じエネルギーを受け取っていることになり、世界的、社会的には共通の傾向がみられることになるのです。

でも、個人にとっては、その人の出生図の天体の配置によって影響の仕方が異なるんですよね。

たとえば水瓶座にトランジットの土星があるとき、太陽星座が水瓶座の人には厳しい影響があるのですが、双子座の人には土星が支えになってくれるというように、人によって違った影響を受けるのです。

ですから、トランジットを読み解く際は、一般的に、出生図と重ねた二重円、または出生図とプログレスなどの進行図、そしてトランジットの3つを重ねた三重円を使います。

トランジットで読み解けるもの

トランジットを生まれ持った宿命がわかる出生図と組み合わせると、次のようなことが予測できます。

  • 何歳の頃にどんな外部的要因(天体の動き)に影響されるか
  • 今行動した方がいいか、いったん保留した方がいいか
  • 将来訪れるチャンスや変化の時期

トランジットの天体の影響は、いつ頃始まって、いつまで続くかがわかるので、現在は成長に向けて積極的に行動していいのか、または休むべきかの目安になります。

また、その時期に受ける天体のエネルギーをうまく活用するためには、どんな行いをすればいいか、何に気をつければいいのか備えることもできます。

トランジットの読み方のコツ

トランジットの読み方のルールとして、押さえておきたい基本のポイントを見ていきましょう。

出生図→進行図→経過図(トランジット)の順で見る

トランジットは実際の天体の動きなので、それのみでは占う方の情報が含まれていません。

まずは出生図と、進行図を用意してから、トランジットを読み解きましょう。

進行図を使わず、トランジットの天体の出生図への影響だけを見ることも出来るのですが、まずはその人の出生図を展開した進行図をチェックすることがポイント。進行図は出生図から導き出されるものなので、その人の持って生まれた運命がわかります。

その上でトランジットの影響を見ると、人生で起きることがどう展開していくのかがよく見えてくるようになります。

トランジットだけの影響で一喜一憂する必要はありません。

トランジットの天体はしょっちゅうやってくるので、それだけで人生が決まるわけではないんです。進行図で予測されている時期にトランジットが来ると、トランジットの天体が引き金を引いて、ものごとが実現するんだと覚えておきましょう。

公転速度が遅い天体から近い天体への影響を読み解く

トランジットでは公転周期が長い(公転速度が遅い)天体から公転周期が短い(公転速度が速い)天体への影響を読んでいきましょう。速度が遅い天体ほど、大きな影響を及ぼすと考えられているからです。

例えば、地球から遠い位置にある海王星や冥王星の出生図の太陽や月への影響をみるのです。遠い天体ほど強い影響を与えると考えられます。

逆にトランジットの月は1日2日程度の短い影響しか与えないので、たとえばトランジットの月から出生図の土星への影響はあまりありません。

ホロスコープのトランジットの読み方

ホロスコープのトランジットを読み解く具体的な手順をご紹介します。

三重円のホロスコープで、トランジットの天体の出生図への影響をみていきます。

読み方①トランジットの木星をみる

トランジットの木星はおよそ1年でひとつの星座を運行し、12年で12星座を一周します。

トランジットの木星が入っている星座は、そのときの社会の雰囲気や流行を表します。これは誰にとっても同じになります。

では、あなたにとっての影響はどうでしょうか?トランジットの木星は出生図の何ハウスに入っていますか?

このとき、二重円や三重円のハウスではなく、出生図のハウスの線を見て、何ハウスに入っているか見つけましょう。

トランジットの木星が入っているハウスはそのとき拡大、発展しやすい分野を表しています。ハウスは人によって異なるので、その出生図の人に対する木星の影響ということになります。

次にトランジットの木星の出生図の天体に対するアスペクトもみてみましょう。木星の影響を受けることによって、天体の持つ意味が拡大、発展するのです。

例えば出生図の金星に木星がトラインのアスペクトを取っていると、恋愛が発展しやすく、結婚に結び付きやすい時期といえるでしょう。

ただ、木星は増えすぎることも意味しますから、木星が金星にオポジションのアスペクトになると、食べ過ぎたり、お金を使いすぎるといった影響がでることもあるので、注意が必要です。

読み方②トランジットの土星をみる

次にトランジットの土星を見ていきましょう。

土星はおよそ2年半でひとつの星座を運行し、約30年で12星座を一周します。

例えば出生図の太陽に対するアスペクトを考えると、30年で一周するということは、およそ7年半ごとにコンジャンクション(0度)、スクエア(90度)、オポジション(180度)というハードアスペクトを取るということになります。

つまり、7年半に一度は土星先生の厳しい指導を受けることになるわけです。

土星には試練、抑圧、縮小、何かの終わりといったマイナスの意味もありますが、基礎や構造を作る、伝統を保つなどといったプラスの意味もあります。

土星だから必ずしも悪いことが起きるというわけではなく、アスペクトの種類やアスペクトを受ける出生図の天体の意味によって、影響が変わってくるのです。

土星の影響は大きいので、トランジットの土星が出生図の太陽、月、アセンダント、MC、ドラゴンヘッドなどにアスペクトを作っているときは、何かしら厳しさを実感することがあるでしょう。特にハードアスペクトに注意しましょう。

一方、土星のアスペクトでもセクスタイル(60度)やトライン(120度)などソフトアスペクトの場合は、土星が支えとなってくれることでしょう。

土星が金星とソフトアスペクトを取っているときに「身を固める」という意味で結婚する人も多いんですよ。

読み方③トランジットの天王星をみる

次にトランジットの天王星を見ていきましょう。

天王星は変化を表す天体です。覚醒する、はっきり見える、先端技術、革新的、などの意味もあります。

天王星は約7年で1つの星座を運行します。

例えば自分の太陽星座に天王星が入ってくると、変化の時期に入っていきます。天王星は逆行しながら進んでいくので、太陽の上を天王星が行ったり来たりする時期には天王星の力をとても強く感じることになります。

これは太陽の真上にくるときだけでなく、太陽の星座とスクエアの星座や、オポジションの星座にくるときも影響します。

また、出生図の太陽だけでなく、月やアセンダント、MC、ドラゴンヘッドにアスペクトを取るときもその意味する分野に変化が起きるのです。

転職したり、引っ越しをしたり、恋人と別れたり、離婚したり、、、人生には大きな変化が起きるときが誰にでも訪れますが、そんなときは天王星が影響していることが多いのです。

天王星が金星とアスペクトを取っているときに結婚したカップルは離婚しやすいともいわれます。

ですので、いつ天王星が影響してくるのか事前に調べておくといいですね。

読み方④トランジットの海王星をみる

次にトランジットの海王星を見ていきましょう。

海王星はものごとを曖昧にしたり、夢を見させたり、お酒やドラッグにおぼれさせたりするような意味を持っています。

海王星はひとつの星座に14年も滞在します。

とてもゆっくり動くので、出生図の天体に海王星がアスペクトを取ると、かなり長い期間影響を受けることになるのですが、期間が長すぎてピンと来ない人もいるかもしれません。

でも、あとで振り返ってみると「ああ、あれは海王星の影響だったのかな」と感じるかもしれません。

読み方➄トランジットの冥王星をみる

最後にトランジットの冥王星を見ていきましょう。

冥王星は「破壊と再生」の天体。人間にはあらがえない、極限的な力でものごとを根底から覆してくる力を持ちます。また「隠れているもの」「死」といった意味もあり、無意識の世界、秘密のことなどに関係してくる場合もあります。

冥王星もひとつの星座に14年~26年も滞在しますから、出生図の天体にアスペクトができる期間が長すぎてピンと来ない人が多いかもしれません。

まとめ

ホロスコープのトランジットは、その人の持って生まれた運命が実際の人生の中で現実化していくときにトリガーを引くような存在です。

まずは出生図をしっかり理解し、進行図で人生のストーリーを読み取った上で、トランジットの天体がいつどんなトリガーを引くのかを確認していくといいのです。

そのように読んでいくことができるようになると、いいことにも悪いことにも事前に備えることができるようになり、人生を思うように楽しめるようになりますよ。

「まだそこまで読めない!」という場合は、まずはトランジットの木星、土星、天王星の出生図の太陽、月、アセンダント、MC、ドラゴンヘッドへのアスペクトをみつけて、影響を観察することから始めてもいいかもしれません。

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